「ひとりじゃないよ」を合言葉に
2010年春、ある一人暮らしの方が亡くなられて、2ヶ月後に発見されるという悲しい出来事がきっかけとなり、訪問や電話相談などを始めました。
ひとり暮らしの会員同士が、お互いを支えあうことを目指して、交流活動を中心としながら、相談と生活の支援をしています。
名前の由来である『なんでん・かんでん、いつでん・どこでん、だれでん・かれでん』を心掛けています。
「熊本日日新聞 熊本発SDGsに私達の活動が11回にわたって連載されました。20200131~20210213」
助けてと言えない
でんでん虫の会発起人のメンバーは、路上生活者の支援をしていました。
社会的に孤立していた方々が心を開くまで何度も通い、おにぎりを配りました。
経済的困窮に陥っている方々を生活保護などの支援につなぎ、
保証人がいないために入れなかったアパート入居のお手伝いをしました。
孤独死されていた男性はその中の一人でした。
なぜ、相談してくれなかったのか?
他の当事者に聞いてみると、
「これ以上、迷惑をかけたらいけないとギリギリまで我慢するのです。」
「助けてもらうばかりは重荷になるのです。」
と答えがかえってきました。
誰にも起こる可能性がある失敗などがきっかけになって
経済的困窮と社会的困窮に陥ってしまうことが大半です。
家族や知人に迷惑をかけてしまったために疎遠になったこと
などが背景にあるため、なおさら、「助けて」と言えない場合が多いのです。
つながりと居場所が必要だ!
「アパートに住めるようになっても、中にいると壁がとても高くて、
でも、自分がホームレスだったことがばれたらと思うと、
一歩外に出るのがとても怖いのです。」
私たちは、日頃のつながりが命を守るのだと気づかされました。
あそこに行けば知っている人が誰かいる、
そんな居場所をつくるため「おしゃべり会」を始めました。
何気ない日常会話を交わす間柄が、気軽に相談できるつながりとなるのです。
そんな交流を通じて築く信頼関係を大切にしています。
制度の狭間は、家族がわりになること(伴走型支援)
専門スタッフが関わる支援で多いのは、
成年後見人制度の対象外や権利擁護制度を利用できない
「身元引受(緊急連絡先、看取り、見送り)」
「生活費支払支援(お金の管理手伝い)」です。
また、障害や介護の制度対象外だけどボーダーにある方々で
身近に家族など見守ってくれる支援者がいない場合、
社会にうまく適応できずに孤立してしまうことが少なくありません。
自分が何に困っているのかすらうまく伝えられないこともあります。
相談窓口に行っても説明や理解が十分でない場合には、
受けられるはずの支援もうけられないままになってしまいます。
さらに、熊本地震や豪雨災害、コロナ禍という厳しい環境では
もともと弱い立場にあった方々がまず危機にさらされます。
近年、身寄りのない方や親族が居ても疎遠の方がますます増えています。
特に、成年後見人の対象外で身元引受を必要としている方々の相談が
医療・福祉・行政などの専門機関から依頼されることが増えています。
会を維持するための支援が必要です
専門機関からの依頼が増えていることとは裏腹に
制度がない狭間の支援が多いため、活動するために保証された資金はありません。
制度外であっても、困りごとは多岐にわたり、支援スタッフには専門性が求められます。
年間の相談件数は2000~3000件(相談項目件数は約5000~6000件)です。
単発の助成金では、通常の活動費をはじめとした運営費が対象とならない場合が多く、
会を維持するための資金源は会費と寄付金に限られてきます。
現在、会員は約200人ですが、実登録は500人余りに上ります。
NPO法人でんでん虫の会の活動は、身寄りがなくても、ひとり暮らしでも、
最期まで安心して支え合える社会をつくる大切な活動です。
寄付やボランティアの助けを必要としています。
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